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風の盆恋歌

毎年、9月1日から3日富山市八尾町で行われる「風の盆」。
哀調あふれる「おわら節」の旋律にのって、町の道筋を祈るように流れるように踊り進む男たち、そして女たち。
見ているうちに不思議な陶酔にからめとられていきます。

・・・と見てきたようなことを書いてしまいました。じつは見てきたわけではありません。
見てきたわけでもないのに、「おわら風の盆」の魅力を余すところなく教えてくれたもの。

高橋治・著『風の盆恋歌』(新潮文庫)という一冊の本。





「やけぼっくりに火がついた」的な、中年男女のかなわぬ恋がメインストーリー。
このストーリー、それほど魅力あふれるというわけではありません。
しかし「風の盆」の魅力を損なうこともない。
むしろ、「風の盆」がおのずと引き立つよう、巧みに計算されていることに気がつきます。

著者は旧制金沢第四高等学校で学ばれたとのこと。
風の盆」には特別な思い入れがあったのでしょう。
その思い入れが存分に伝わる作品です。
また彼は、60年代に松竹の映画監督でもありました。
大島渚監督と同年代ですね。
俳句に関する書籍も多い著者だけに、映像的でもあり、同時に俳句の「取り合わせ」を意識した描写も随所に。

酔芙蓉」という花のことは、この作品で知りました。
明け方、開花するときは白花で、午後、夕暮が近づくにつれて紅色に変わる酔芙蓉
人の世のうつろい、というようなものを感じさせられる花。
「ゆめにみし人のおとろへ芙蓉咲く」という、久保田万太郎の句も作中で紹介されます。

テーマとからんで、重要なポイントとなるのも、また俳句です。
印象的に使われる、金沢の俳人、堀麦水の句。

「蝶の行く 末の低さや今朝の秋」

夏の盛りを過ぎ、もはや空高く飛ぶことの許されなくなった、蝶。
それでもあらんかぎりの力を振り絞って、秋の空をめざす蝶。
秋の蝶と酔芙蓉と、このダブルイメージが主人公の男女に寄り添い、うち重なります。

読み終わって、すこしだけ、しみじみっとしてしまいました。
同時に、9月1日からの3日間、いつかは風の盆の静かな流れの中に身を置いてみたいものだと思いました。
秋の空を飛んでいく蝶のように自由に、夕べには紅色に染まる酔芙蓉のようにさりげなく。

それでは!


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tag : 風の盆 風の盆恋歌 高橋治 おわら節 酔芙蓉

いざというとき困ること

気がせいているときに限って必要なものがなくなる。
サスペンス映画ではおきまりのシーンです。
車のガソリンであるとか、携帯のバッテリーであるとか。

日常、仕事をしていると、「ホッチキスの針」で同じような思いをすることがあります。
急いで書類を整えないといけない、というときに限ってカラ打ちしてしまう。
詰め替え用針がすぐに見つからず、あせる気持ちがサスペンスフルに高まっていく・・
こんな気持ちは別に高まらなくてもいいんですけどね。

そういえば、「ホッチキス社」というのは、かって世界有数の機関銃メーカーだったとのこと。
また、日本で最大のシェアを持つ「マックス社」は、もともと零式艦上戦闘機の尾翼を製造するメーカー。
なにげなく身近にある軽量の文房具ではあるのに、歴史的には意外と重いものを背負っていたりします。

どちらにしても、いきなり針が途切れる、というのは、あまりうれしいことではありません。
携帯電話みたいに、残量が「旗」で表示されるとありがたいなと思います。
メーカーには善処を望みたいですね。

「旗による残量表示」というのは、もっと各方面で実用化されてもよいのではないか。
現代のテクノロジーは、そのぐらいのことは可能なところまで来ているのでは。
・・とは思いつつ、もし「人生の残量表示」が可能になったら怖いですね。
いきなり「旗はあと一本です。」と表示されたら・・

でも大丈夫。
充電すればいいのです。
人生なんて充電の連続。残量表示、怖れるに足らず。
一日の終わりには、充電器をコンセントに差し込むのを忘れないようにしないと。

それでは。

猛暑に見たまぼろし。

暑い日が続きます。
夏だから仕方がない。この「あきらめ」がカラダの隅々まで行き渡るとき、身内から不屈の抵抗力がわき上がり、暑さ何するものぞ、という境地に至る・・・ということを期待しつつ、ポカリスエットで喉をうるおす外歩きです。

広場に群れるハトたちも、さすがに動きが鈍って見えます。
いつでも地上をせわしなく移動しつづけるハト。なにか地面にいいものでも落ちているのか、と思ってあとを追いかけようとしても、いつもたくみにあしらわれます。
なのに、きょうにかぎっては、彼等みんな、どこか投げやりな風にもみえました。

そんななか、目をひく一羽のハトを発見。
樹木の日陰でものうそうに「体育座り」をしています。

実際には、ただうずくまっていただけだったのかもしれません。
うずくまって汗をかわかしていただけだったのかも。
でも、地面から熱気がたちのぼる中、たしかにそのハトは「体育座り」をしているように見えました。
なにしろこの暑さですからね。
ハトだって、ふてくされて「体育座り」ぐらいしたくなろうというものではないか。
などとラチもないことを考えてしまいました。

ラチもないことを考えながら猛暑の中を歩くのは、とても危険です。
歩きながらきちんとものを考えることのできる「不屈の抵抗力」がはやくカラダににみなぎらないかな、と思います。


それでは!

最初の一歩です。

宇宙にだって始まりがあるように、どんなブログにも最初の始まり、というものがあります。
このブログも、「今日、いま、この瞬間」から始まります。
だからといって世界にさざなみひとつ立てるわけではないけれど、ぼくにとっては貴重な第一歩。
これから、仕事のことだけではなく、毎日の雑感や読んだ本、観た映画のことなど、少しずつ書き連ねていきたいと思います。
どうぞよろしく!

ということで、今日は平成22年7月23日。
ものごとを始めるのによい日なのかどうかはわかりません。
でも、暦のうえでは「大安」。
結婚式場がおおいに混雑する日ですね。
愛し合った二人の門出にとって「祝福された日」であるなら、ささやかなブログの事始めにとってもまた「良き日」であると思いたいです。

ぼくのお仕事は「司法書士」。
志を抱き、会社を設立しようとする人たちをお手伝いすることも、大事な柱となります。
その際に、「設立する日」をいつにするか、ということを必ずお尋ねします。
誕生日や結婚記念日などの思い入れの深い日。自分にとってのラッキーナンバー。
人は誰でもみんな、「大切な日」を持っていることを教えられます。

結婚もブログも会社も、スタートの日にこだわる、というのは、無意味なことではないのだろうと思います。
宇宙の始まりの日も、神さまにとって「大切な日」だったのかもしれません。

それでは!

プロフィール

JIRO

Author:JIRO
東京下町で開業する司法書士です。
司法書士とはなにをする人か?
・・・一言では説明が難しいです。
といって二言三言あれば説明できるわけではなし。

このブログでは、日頃の出来事や読んだ本、観た映画などのことを書きつらねてみたいと思います。
あ、お仕事のこともすこし触れていきます。

(ホームページ http://www.noguchi-office.jp/)

相続なら江東区の司法書士 みどりの杜司法書士事務所(会社設立)

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