2時間30分の孤独
先日、久しぶりに東京ドームでプロ野球観戦を楽しんできました。
巨人・広島戦です。
緊迫したゲーム展開の中、後半にきっちり山場があって、大興奮、大満足の一日でした。
観ていてひときわ目をみはったプレーがあります。
ショートの奥深くを襲ったゴロを、坂本内野手がさばいたそのプレー。
逆シングルで捕球するや、右足を踏ん張って体勢を立て直します。
体重を乗せ、スナップを利かせて送球されたボールは、一塁手のグラブへと最短距離を飛行していき、間一髪のアウト。
テレビではおなじみのプレーだけど、やっぱり実際に観ると、その「すごさ」がわかります。
なにしろ、捕球位置から一塁まで、その遠いことといったら・・・・
普通の人だったら、宅配便の人に頼んで届けてもらうのではないかと思ったぐらいです。
そんな距離をものともしない。
それをすることで、額に汗ひとつかかない。
さすがに「プロ」というのはこうあるべきものなんだなあと、感心しきりでした。
「プロ」というのはどこまでもあくまでもすごいもの。
そう思わせてくれるある本を、読みました。
『新幹線を運転する』(早田森:メディアファクトリー新書)、というこの本です。
新幹線の運転士さんたちが、なにを考え、なにを感じ、どのように職務をはたしているのか。
JR東海に勤めるひとりのベテラン運転士の取材を通して、その実際に迫った本です。
東海道新幹線の場合、ラッシュ時には、東京~新大阪の線路上に、80本もの列車が同時に走っている瞬間があるのだ、とのこと。
このことから、安全運行のためには、「定時」で目的地に到着することがとても重要です。
「小田原を通過した時点で8時10分30秒だったから、18.7㎞先の熱海駅まで時速230㎞のままで行けば定時通過できそうだ」
という具合に、残りの距離から、微妙に、速度を調整する運転士さん。
こういうご苦労があるとは、ぜんぜん考えもしませんでした。
さらに、こんなことも述べられています。
「目で見て、条件反射でパッと行動しなくてはいけない。目で見て、一瞬でも考えたら必ず失敗します。考える一瞬の『間』が命取りになるんですね。曖昧な意思表示は絶対にしてはいけない。常に○か×の世界で、そのあいだはない。」
どんな仕事でも、この瞬発力が求められる「瀬戸際」というのはあるのではないかと思います。
ただ、時速270㎞というのは、その「瀬戸際」が「瀬戸際」のまま連続する「世界」なんでしょうね。
列車が止まるそのときまで。
この本を読んでいて心に絶えず浮かんできたのは、じつは「孤独」という言葉です。
東京から新大阪までの2時間30分。
16両編成の列車には、1300人からの乗客がいます。
でも、走行中は、完全に「密室」となる運転席に、運転士はただ一人だけ。
旅客機のパイロットも数百人からの命を預かります。
でも、そこには通常、「副操縦士」が隣に控えている。
一方、新幹線運転士がひとり向かい合う「2時間30分の孤独」。
その「重さ」と「深さ」は、計り知れません。
「プロ」として「責任を全うする」ということ。
それはたぶん、「耐えがたい孤独を引き受ける」という「覚悟」なのだと思います。
そして「覚悟のほどを見せる」とは、すなわち結果を出し続けること。
・・・なのでしょうね。
ということで、ぼくもとりあえず、「耐えがたいストレス」を引き受けることからがんばっていきます。
ストレス解消には、適宜に「昼寝」をとることがいちばん。
電車の中で、あるいはこコーヒーショップで、5分、10分の休息を積み重ねる。
もちろん、「2時間30分の昼寝」というわけにいかないんだけど。
それでは。
巨人・広島戦です。
緊迫したゲーム展開の中、後半にきっちり山場があって、大興奮、大満足の一日でした。
観ていてひときわ目をみはったプレーがあります。
ショートの奥深くを襲ったゴロを、坂本内野手がさばいたそのプレー。
逆シングルで捕球するや、右足を踏ん張って体勢を立て直します。
体重を乗せ、スナップを利かせて送球されたボールは、一塁手のグラブへと最短距離を飛行していき、間一髪のアウト。
テレビではおなじみのプレーだけど、やっぱり実際に観ると、その「すごさ」がわかります。
なにしろ、捕球位置から一塁まで、その遠いことといったら・・・・
普通の人だったら、宅配便の人に頼んで届けてもらうのではないかと思ったぐらいです。
そんな距離をものともしない。
それをすることで、額に汗ひとつかかない。
さすがに「プロ」というのはこうあるべきものなんだなあと、感心しきりでした。
「プロ」というのはどこまでもあくまでもすごいもの。
そう思わせてくれるある本を、読みました。
『新幹線を運転する』(早田森:メディアファクトリー新書)、というこの本です。
新幹線の運転士さんたちが、なにを考え、なにを感じ、どのように職務をはたしているのか。
JR東海に勤めるひとりのベテラン運転士の取材を通して、その実際に迫った本です。
東海道新幹線の場合、ラッシュ時には、東京~新大阪の線路上に、80本もの列車が同時に走っている瞬間があるのだ、とのこと。
このことから、安全運行のためには、「定時」で目的地に到着することがとても重要です。
「小田原を通過した時点で8時10分30秒だったから、18.7㎞先の熱海駅まで時速230㎞のままで行けば定時通過できそうだ」
という具合に、残りの距離から、微妙に、速度を調整する運転士さん。
こういうご苦労があるとは、ぜんぜん考えもしませんでした。
さらに、こんなことも述べられています。
「目で見て、条件反射でパッと行動しなくてはいけない。目で見て、一瞬でも考えたら必ず失敗します。考える一瞬の『間』が命取りになるんですね。曖昧な意思表示は絶対にしてはいけない。常に○か×の世界で、そのあいだはない。」
どんな仕事でも、この瞬発力が求められる「瀬戸際」というのはあるのではないかと思います。
ただ、時速270㎞というのは、その「瀬戸際」が「瀬戸際」のまま連続する「世界」なんでしょうね。
列車が止まるそのときまで。
この本を読んでいて心に絶えず浮かんできたのは、じつは「孤独」という言葉です。
東京から新大阪までの2時間30分。
16両編成の列車には、1300人からの乗客がいます。
でも、走行中は、完全に「密室」となる運転席に、運転士はただ一人だけ。
旅客機のパイロットも数百人からの命を預かります。
でも、そこには通常、「副操縦士」が隣に控えている。
一方、新幹線運転士がひとり向かい合う「2時間30分の孤独」。
その「重さ」と「深さ」は、計り知れません。
「プロ」として「責任を全うする」ということ。
それはたぶん、「耐えがたい孤独を引き受ける」という「覚悟」なのだと思います。
そして「覚悟のほどを見せる」とは、すなわち結果を出し続けること。
・・・なのでしょうね。
ということで、ぼくもとりあえず、「耐えがたいストレス」を引き受けることからがんばっていきます。
ストレス解消には、適宜に「昼寝」をとることがいちばん。
電車の中で、あるいはこコーヒーショップで、5分、10分の休息を積み重ねる。
もちろん、「2時間30分の昼寝」というわけにいかないんだけど。
それでは。
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