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思えばいと疾しこの年月

高校の恩師であるK先生が今年、米寿を迎えます。
米寿といえば88歳。
「末広がり」の意味を持つ「八」が重なる、とてもめでたくて縁起のいい数字です。

ということで開催された「米寿を祝う会」に出席してきました。
場所は東京ステーションホテル・ゲストラウンジ「アナトリウム」。
同期生約70名が出席し、和気藹々の中、みんなで心をひとつにしてお祝いすることができました。

これだけのイベントがつつがなく終わったことの裏には、幹事諸氏のさまざまなお骨折りがあったことと推察します。
いつだって水面下では、言うに言われぬ「見えない」ご苦労がある。
それは、「見えない人」、「見ようとしない人」には、ぜったいに見えません。
だけど、K先生はきっとすべてをしっかり見ておられたことと思います。
見えないことこそをしっかり見ておられたに違いありません。

そう思うのは、ぼく自身のある体験によるものです。
じつは高校生のあの頃、胸の中に、ある「わだかまり」をかかえていました。
悩みやトラウマといったこととは違う、ごくプライベートな事柄です。
それでも、こどものころからずっと、春になっても溶けない根雪のように、心の片隅にしつこくこびりついていました。

そんなあるとき、廊下でK先生に話しかけられました。

「どうなんだ、いまでもまだ思い出すことがあるのか?」

突然のことにびっくりしました。
自分の胸の裡に眠っている「ほんとうのこと」は、誰にも、親にさえも打ち明けたことはありません。
なのに、この先生にはすべてが見えている・・・・

驚いて混乱して、しどろもどろになってしまいました。
先生はにっこりと温顔のままです。

「もうじゅうぶんだろう。忘れてしまいなさい」

そう言って、廊下を渡って行かれました。

もう忘れていい。忘れてかまわない。
ぜったいに自分の中からは生まれてこない言葉でした。
でも「誰か」がそう言ってくれるのをずっと待っていた、待ち続けていた、まさしく魔法の言葉でした。

その日その瞬間から、視界が倍に開かれました。
スマホで画面をピンチインするように、一気に世界が広がりました。
気がついたら、しつこい根雪も消えていました。
呼吸をするのも楽になりました。

会が終わり、退場される先生と、一瞬、握手させていただくことができました。
あの日のやりとり、きっともう忘れてしまっておられると思います。
いいんです。忘れてしまってください。
あれはあのときかぎりのこと。
どうか忘れてしまってください。

でもぼくは忘れません。
いつまでも忘れることはできません。

こんどは「卒寿を祝う会」でお会いすることになりますね。
どうかお元気でいてください。


それでは。


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プロフィール

JIRO

Author:JIRO
東京下町で開業する司法書士です。
司法書士とはなにをする人か?
・・・一言では説明が難しいです。
といって二言三言あれば説明できるわけではなし。

このブログでは、日頃の出来事や読んだ本、観た映画などのことを書きつらねてみたいと思います。
あ、お仕事のこともすこし触れていきます。

(ホームページ http://www.noguchi-office.jp/)

相続なら江東区の司法書士 みどりの杜司法書士事務所(会社設立)

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