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しりとり遊びが終わるとき

小さい頃、よく「しりとり遊び」をしていたことを覚えています。
必勝法がありました。
「る」で終るコトバを相手にわたすこと。
なにしろ子どもだから、「る」で始まるコトバなんてほとんど知りません。
だから、逆に「る」で終るコトバを渡されたらもう大変。
ストックしていたのは「ルビー」というコトバだけだから。
でも、すぐさま「ビール」と切り替えされてしまう。

いまなら「ルーティンワーク」などという横文字や、「累進課税」という漢字四文字が浮かびます。
「ルイ十四世」もいれば「ルイ十五世」、「ルイ十六世」もいます。
「ルパン」だって「三世」「四世」とつなげていけば、ほとんど無敵を誇れそう。

いっぽう、電車の中で母子がしりとりをしている場面を見かけたこともあります。
だけど、母親は「る」で終るコトバを子どもにわたしたりはしません。
遊びの目的は「勝つ」ことではなく、子どもとの「コトバ」のやりとりがずっとつづくことだから。
このとき母と子は、メビウスの輪のうえで追いかけっこをしているみたいです。
いつまでもこわれない「今このとき」を信じて、幸福そのものに見えます。

……というようなことを、NHKで放映されていた、 『100万回生きたねこ』を観ていて思いました。
佐野洋子さん原作の絵本を、ミュージカルとして舞台化した作品です。

終盤近く、100万回死んで生き返って「ただのねこ」になったねこが、「白い猫」に恋をします。
二匹の猫が寄り添い、舞うようにじゃれあいながら、愛を語らいます。

「しょうがないね」「ねえ」「笑顔」「…おやすみ」「三日月」「気持ちいい?」「いつまでも」「…戻りたい?」

お互いのコトバの語尾を引き寄せ合って、「しりとり」による語らいは続きます。

……「いのち」「ちりぢり」「理解」「いいね!」「…眠い?」「いいや…」「休む?」「…昔話」「してあげるよ」

語らいの中で、知らぬ間に時間だけはどんどんと過ぎていきます。
最初は溌剌としていた白い猫なのに、いつのまにかぐったりとして、「ねこ」の体に身を預けます。

……「よぼよぼ」「ぼくも」「…もう時間…」

コトバの最後に「ん」が来たら、それは遊びが終わるとき。
100万回生きた「ねこ」だけど、はじめて「終わり」ということを知ります。
「今このとき」は終わりました。
もう「つづき」はありません。

「今このとき」って何なんだろうと思います。
それは、過去と未来を貫く直線上にあるとは限らないのかもしれない。
「ねこ」は、「今このとき」が永遠であることを知りました。
なのに、その「今」は容赦なく終わってしまう。
終わってしまう「今」だからこそ、「今このとき」は永遠なんでしょうか。
無限大でつづきそうに思えるメビウスの輪にも、どこかに隠れた「中心」があって、すべてはそこでひとつになっていくのでしょうか。

作者である佐野洋子さんに尋ねてみたい気がしてきます。
でもきっと「ややこしいこと聞かれたって、あたしゃ知らないよ」と言われそうですね。

佐野さんが亡くなったのは、平成22年11月5日のことでした。
今日でちょうど3年になります。

それでは。


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プロフィール

JIRO

Author:JIRO
東京下町で開業する司法書士です。
司法書士とはなにをする人か?
・・・一言では説明が難しいです。
といって二言三言あれば説明できるわけではなし。

このブログでは、日頃の出来事や読んだ本、観た映画などのことを書きつらねてみたいと思います。
あ、お仕事のこともすこし触れていきます。

(ホームページ http://www.noguchi-office.jp/)

相続なら江東区の司法書士 みどりの杜司法書士事務所(会社設立)

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