今年最後に観た映画です(『かぐや姫の物語』)。
学生の頃は、講義をさぼっては映画館に行っていました。
いちばん多いときには、一年で150本ぐらい観ていたんじゃないかと思います。
といっても、ロードショーなどは滅多に行きません。
ほとんどは名画座の2本立てばかりでした。
その頃に比べると、映画館に行くことが、ほんとに少なくなりました。
今年観た映画も、手の指をぱたぱたと折っていけば数えられるぐらいの本数です。
でもまあ、「数が多ければいい」というものではないんでしょうね。
下手な鉄砲打ちじゃないんだから。
それよりも、一本ごとの映画との出会いを大切にしていきたいです。
ということで、今年最後に選んだ映画は何かと言うと・・・
「姫の犯した罪と罰」という意味深なコピーとともに封切られた『かぐや姫の物語』。
一年の締めくくりにふさわしい選択だったと思います。
すばらしかったですよ^^
冒頭から繰り返し描かれる、四季の花々や小動物、小さな虫たち。
ただ眺めているだけで、水墨画の世界に迷い込んだような気分にさせられます。
一木一草にも神仏が宿っている世界です。
姫が大空を浮遊するシーンで、彼女は「空よ、天地(あめつち)よ、私を受け入れて」と唱えます。
世界の中に溶け込んで、自然の造化と一体となっているかぐや姫。
もうほんとに、すばらしい場面でした。
かぐや姫と出会う男たちは、みんなたちまちその「美しさ」に魅了されてしまいます。
外見的な美しさを超えた、「命そのもの」の輝きに圧倒されてしまうからなんでしょうね。
お話の元となった「竹取物語」は、学校の文学史では「日本最古の物語」というように教わりました。
「貴種流離譚」(高貴な生まれなのに遠い地で苦労して育ち、やがて自己を回復し、帰還への旅に出るお話)の原型とも言われます。
でも、考えてみると、不思議な、謎に満ちたお話ですね。
なんで「竹の中から生まれる」のか、月と姫とはどういう関係にあるのか、などなど。
そのせいか、かつては「かぐや姫=宇宙人」という設定で作られた映画もありました。
この映画でも、その謎にひとつの答えを用意しています。
「姫の犯した罪と罰」というキャッチコピーともからんだ、「ちょっとわけあり」という感じの設定です。
ただ、この映画の醍醐味は、その「謎解き」にあるのではありません。
なにがどうしてどうなっているのか。
そういうことを追求することで楽しさ面白さが倍増する、という映画とは違います。
あまりあれこれ考えず、ただ映画の中に自分を放り出してしまう。
空っぽになって、描かれる世界のすべてに身を委ねる。
そんなふうにして観るのがいいのでは、と思いました。
自分を「放下」するというのは滅多に味わえない体験です。
だけど、「空っぽになる」のにとくに努力はいりませんでした。
ぼくの場合、「いざというとき」以外は、頭の中を空っぽにしてあるからです。
でも「いざというとき」は、そう頻繁に訪れません。
ようするに毎日ぼんやり生きている、ということになります。
すごいことだと思います。
褒められたことはありません。
それでは。
いちばん多いときには、一年で150本ぐらい観ていたんじゃないかと思います。
といっても、ロードショーなどは滅多に行きません。
ほとんどは名画座の2本立てばかりでした。
その頃に比べると、映画館に行くことが、ほんとに少なくなりました。
今年観た映画も、手の指をぱたぱたと折っていけば数えられるぐらいの本数です。
でもまあ、「数が多ければいい」というものではないんでしょうね。
下手な鉄砲打ちじゃないんだから。
それよりも、一本ごとの映画との出会いを大切にしていきたいです。
ということで、今年最後に選んだ映画は何かと言うと・・・
「姫の犯した罪と罰」という意味深なコピーとともに封切られた『かぐや姫の物語』。
一年の締めくくりにふさわしい選択だったと思います。
すばらしかったですよ^^
冒頭から繰り返し描かれる、四季の花々や小動物、小さな虫たち。
ただ眺めているだけで、水墨画の世界に迷い込んだような気分にさせられます。
一木一草にも神仏が宿っている世界です。
姫が大空を浮遊するシーンで、彼女は「空よ、天地(あめつち)よ、私を受け入れて」と唱えます。
世界の中に溶け込んで、自然の造化と一体となっているかぐや姫。
もうほんとに、すばらしい場面でした。
かぐや姫と出会う男たちは、みんなたちまちその「美しさ」に魅了されてしまいます。
外見的な美しさを超えた、「命そのもの」の輝きに圧倒されてしまうからなんでしょうね。
お話の元となった「竹取物語」は、学校の文学史では「日本最古の物語」というように教わりました。
「貴種流離譚」(高貴な生まれなのに遠い地で苦労して育ち、やがて自己を回復し、帰還への旅に出るお話)の原型とも言われます。
でも、考えてみると、不思議な、謎に満ちたお話ですね。
なんで「竹の中から生まれる」のか、月と姫とはどういう関係にあるのか、などなど。
そのせいか、かつては「かぐや姫=宇宙人」という設定で作られた映画もありました。
この映画でも、その謎にひとつの答えを用意しています。
「姫の犯した罪と罰」というキャッチコピーともからんだ、「ちょっとわけあり」という感じの設定です。
ただ、この映画の醍醐味は、その「謎解き」にあるのではありません。
なにがどうしてどうなっているのか。
そういうことを追求することで楽しさ面白さが倍増する、という映画とは違います。
あまりあれこれ考えず、ただ映画の中に自分を放り出してしまう。
空っぽになって、描かれる世界のすべてに身を委ねる。
そんなふうにして観るのがいいのでは、と思いました。
自分を「放下」するというのは滅多に味わえない体験です。
だけど、「空っぽになる」のにとくに努力はいりませんでした。
ぼくの場合、「いざというとき」以外は、頭の中を空っぽにしてあるからです。
でも「いざというとき」は、そう頻繁に訪れません。
ようするに毎日ぼんやり生きている、ということになります。
すごいことだと思います。
褒められたことはありません。
それでは。
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No title
遅くなりましたが、
あけましておめでとうございます
今年もよろしくお願いいたしますm(__)m
またまた偶然ですね。
私も去年の最後に観た映画は『かぐや姫の物語』でした。
おっしゃるように、観る水墨画のような素晴らしい映像に思わず見とれてしまいました。
それにしても、声優さんとよく似た登場人物には笑ってしまいました。
空っぽになれるなんて羨ましいです。
私には邪念が多すぎていけません。
あけましておめでとうございます
今年もよろしくお願いいたしますm(__)m
またまた偶然ですね。
私も去年の最後に観た映画は『かぐや姫の物語』でした。
おっしゃるように、観る水墨画のような素晴らしい映像に思わず見とれてしまいました。
それにしても、声優さんとよく似た登場人物には笑ってしまいました。
空っぽになれるなんて羨ましいです。
私には邪念が多すぎていけません。
Re: No title
こんばんは、蜩さん。
そして、あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします!
蜩さんも『かぐや姫の物語』、ご覧になったんですね。
ぼくにとっては、130分という長さを感じさせない映画でした。
とくに映画前半は、居心地のいい美術館の特別展示を眺めている気分で楽しめました^^
声優さんについては、あとでパンフレットを見て顔ぶれにびっくり。
仲代達矢さんの声は、ぜんぜん気がつかなかったです
ところで・・
元旦に、一年の計は立てました?
ぼくは、なるべくややこしいことは考えず、大きく息を吸って吐くように、この一年を過ごせたらいいなと思っています。
よい年になるといいですね!
そして、あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします!
蜩さんも『かぐや姫の物語』、ご覧になったんですね。
ぼくにとっては、130分という長さを感じさせない映画でした。
とくに映画前半は、居心地のいい美術館の特別展示を眺めている気分で楽しめました^^
声優さんについては、あとでパンフレットを見て顔ぶれにびっくり。
仲代達矢さんの声は、ぜんぜん気がつかなかったです

ところで・・
元旦に、一年の計は立てました?
ぼくは、なるべくややこしいことは考えず、大きく息を吸って吐くように、この一年を過ごせたらいいなと思っています。
よい年になるといいですね!