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「あした」になれば「明日」は来る

『TOMORROW 明日』という映画があります。
昭和20年8月8日の長崎で生きる人々を描いた映画です(1988年:黒木和雄監督)。



町の人たちはみんな、「あした」が来るのを待っています。
若い夫婦も中年の夫婦も、「あした」の夢を語り合っています。
けっして大それた夢ではありません。
願えばきっと叶うような、伸ばせばすぐに手が届くような、
そんな夢です。
時を忘れて語り合います。夜が更けたのも忘れて、語り合います。

子どもたちは揃って夏休みのまっただ中。
遊びのつづきはまた「あした」。
宿題だって、ぜんぶ放りっぱなしです。
「あした」が来たらきっとやる。
そんな「あした」を待っています。

悲しみや疑問を胸に秘めた兵隊がいます。
一人でいることに耐えられず、心やさしい娼婦と夜を過ごします。
本当の悲しみを知っている彼女と寄り添い、夜が明けるのを待ちます。
悲しみが溶けて消えるのをじっと待ち続けます。

誰にとっても長い夜でした。
月は真っ赤になりました。
朝の訪れをいやがっているように見える月です。
それでも夜は明けました。
いつもと変わらない朝。でも、誰にとっても「あした」とはならない朝です。

若い夫婦と中年夫婦は、彼らの夢と一緒に消えました。
遊びのつづきも宿題もそのままに、子どもたちは消えました。
行き場を持たなかった兵隊も、幸うすかった娼婦も、手をとり空へと消えました。
生まれたばかりの赤ん坊は、母のお乳をいっぱい飲んで、母に抱かれて消えました。
「あした」はまるごと消えました。

きのうは平成26年8月9日。
彼らには訪れなかった、69年目の「あした」です。
「あした」がまたある、必ず「あした」が訪れると信じられることのすばらしさ。
だって、今日できることでも明日にしよう、そう思ってかまわないんですからね。

ただ、一方では「今日の一針 明日の十針」ということわざの戒めもあります。
悩ましいところではあります。


それでは。

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No title

こんにちは。

ホントに、明日がくるって当たり前のように思っていました。
それが突然奪われるなんて…
きっと誰も信じられないまま、天に昇って行かれたのでしょうね。

広島の方が先だったこともあり、長崎のことは忘れがちになります。
どちらも決して忘れてはいけないのに…

「明日があるさ」という歌もありますが、できることは今日の内に済ませたいですね。後悔しないうちに。

Re: No title

こんにちは!
ご無沙汰しています。

この映画は「その前日」を描くことで「明日」が奪われることの理不尽さを訴えます。
声高にではなく、淡々と。
考えてみると、どんな出来事にも「その前日」ってあるんですよね。
思い出に残る日があれば、必ず「その前日」があって、夕飯にはカレーライスを食べたりしていたんだろうなあと思います。

目の前にあるカレーライスを美味しくきちんと食べる、って大切ですよね。
同時に、明日になって味がしみこんだ残りのカレーを食べる楽しみも奪われたくないなあ。
そんなことをする権利は誰にもないはずだから。
「いま」を毎日がんばって、いつでも明日を待ち遠しく思えるようでいたいです(^_^)

No title

こんばんは。

明日があると信じているから、今日という日を元気に生きる
ことができますよね。
私もこの映画観ました。ある日突然に明日が消えてなくなる
不条理。平凡な日々がどんなにかけがえのないものか。
静かに静かに訴えるものがあり、忘れられない映画ですね。

年々歳を重ね、また様々なニュースを見ていると、明日の
ことなんてわからないな~、今日という日をとにかく楽しく
精一杯生きようなんて思いながら、やらなきゃいけないことは
まあ明日でいいか~と、どんどん先延ばしにしてしまい、
収集がつかなくなっているいいかげんな私です・・・トホホ。

Re: No title

こんにちは、くまねこくんさん。

はじめて観たとき、大きい衝撃を受けた映画でした。
ぼくたちは、原爆とはこういうもの、戦争とはこういうもの、ということを教わり続けてきました。でも、そのことを、大上段に振りかぶらず、真っ正面から突きつけるのでもなく描く、こういう伝え方もあるんだと知って、心を揺さぶられたことを思い出します。

ぼくもくまねこくんさんとおんなじで、今日という日を「精一杯生きよう」と思いつつ、「どんどん先延ばし」を繰り返してばかりです。「明日になればなんとかなるさ」と思い続ける日々です。だいたいにおいて、読めもしない本をたくさん買ってきて積んであるし、いつ観ることになるかわからないテレビ録画をあふれるほどためてしまっている。困ったことですよねー。いったいどれだけ長生きして、どれだけ「あした」があれば全部を消化できるのやら、です(^^;)
プロフィール

JIRO

Author:JIRO
東京下町で開業する司法書士です。
司法書士とはなにをする人か?
・・・一言では説明が難しいです。
といって二言三言あれば説明できるわけではなし。

このブログでは、日頃の出来事や読んだ本、観た映画などのことを書きつらねてみたいと思います。
あ、お仕事のこともすこし触れていきます。

(ホームページ http://www.noguchi-office.jp/)

相続なら江東区の司法書士 みどりの杜司法書士事務所(会社設立)

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