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『舞妓はレディ』と『マイ・フェア・レディ』

周防正行監督最新作『舞妓はレディ』を観ました。

事前知識がなかったので、映画がミュージカル仕立だったことにまずびっくり。
おまけに言語学者の「センセ」も登場して、「ああ、そうだったのか」と気がつきました。
このタイトル、オードリー・ヘップバーン主演の、あの『マイ・フェア・レディ』をもじっていたんですね。下品な言葉遣いしかできない下町の花売り娘のイライザをレディとして社交界にデビューさせようとするヒギンズ教授。『運がよけりゃ』や『君住む街角で』をはじめ、魅力あるミュージカルナンバーでいっぱいの映画です。
とくにすばらしいのが『踊り明かそう』という楽曲。
ヒギンズ教授への恋心に気がつき、ささやくように歌い始めるイライザが、やがてその喜びを爆発させるよう歌い、舞い、踊ります。何度でも繰り返して観たくなるような名場面でした。

ただ、この映画のストーリーには、どうもすっきりしないものが残ります。
粗野な言葉しか使えない卑しい身分の娘を「正しい」発音ができるように矯正する。
ヒギンズ教授のこの言動につきまとう傲慢さが、どうしても鼻についてしまうからです。
もちろん物語では、そういった「階級意識」の愚かしさは愚かしさとして描かれます。
「紳士」とは対照的な「庶民」たちのたくましさに光をあてる楽曲も歌われます。
それでも、ヒギンズ教授はほんとうにイライザと恋に落ちて結ばれることができるのか、そしてそれはよいことなのか、なんだか気になってしまうエンディングではありました。

その点、『舞妓はレディ』という映画、あと味のさわやかさが際立っています。
「鹿児島弁と津軽弁」を話す娘に、舞妓が使う「京ことば」を教える。
ここでは「階級意識」のようなものが顔を出す余地はありません。
どの土地の言葉も、そこに住むひとの生活に根ざしています。
受け継がれる言葉には人々の「思い」が積み重なり、そこには「ぬくもり」が生まれます。
 「鈴と、小鳥と、それから私、 みんなちがって、みんないい」
そんな金子みすゞの詩が思い出されたりします。
ヒロイン(上白石萌音)の新鮮な魅力と透き通った歌声とが相まって、観終わったとき思わずニコニコとしてしまう、そんな映画でした。

「和製ミュージカル」としても、かなりがんばっていたのでは。
『マイ・フェア・レディ』では、イライザの発音を矯正しようと歌われる楽曲の中に、「スペインの雨はおもに平野に降る(The rain in Spain stays mainly in the plain.)」という歌詞があります。「坊主が屏風に」の早口言葉みたいです。『舞妓はレディ』にも、「京都盆地に雨が降る」というナンバーがあって、これは『マイ・フェア・レディ』へのオマージュなんでしょうね。
京都盆地でなくても、秋の日本列島では、雨がよく降ります。
今日も台風の影響で、関東平野に雨は降り続いています。

それでは。



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No title

こんにちは。

あ~そうだったんですね!
『舞子はレディ』ってタイトルがなんか変な気がしていたんです。
なるほど、『マイフェアレディ』をもじったのですね。

私は『マイフェアレディ』を観てないですが、それをモチーフにした『プリティウーマン』は良かったですね。

予告編で見ただけですが、面白そうな映画だなと思っていました。
渡辺えりこさんの白塗りが…ちょっと怖かった。
レディスデイにでも観に行こうかな?

Re: No title

こんにちは!

そういえば『プリティウーマン』もおなじモチーフでしたね。
たしかジュリア・ロバーツはこの映画でトップスターになったのでは。
男が、自分の能力で理想の女性をつくりあげようとするというストーリーは、ギリシャ神話が元になっているみたいです。まあ、考えてみれば「身勝手な男」のお話ですね。
なので、物語が進むにつれて、なにかしらの「しっぺ返し」が待っているという展開がつきものです。

そこのところを『舞妓はレディ』という映画がどう描いているかが、見所のひとつになると思います。
「渡辺えりこさんの白塗り」も、序盤の見所ですよ^^ 
そういう意味での見所はたくさんあります。
レディースデイの鑑賞には最適じゃないかと思いますv-237

No title

こんばんは。

訂正をさせてください。
渡辺えりこさんじゃなくて、渡辺えりさんでした。
すみませんでした。m(__)m

こんばんは

ぼくもうっかりしてましたe-351
ご本人にはこの場を借りてお詫びしたいと思います。
ただ、ご本人は懐が深そうだから、たぶん笑って許してもらえるのではないかと・・・
と甘えてはいけませんよね^^
プロフィール

JIRO

Author:JIRO
東京下町で開業する司法書士です。
司法書士とはなにをする人か?
・・・一言では説明が難しいです。
といって二言三言あれば説明できるわけではなし。

このブログでは、日頃の出来事や読んだ本、観た映画などのことを書きつらねてみたいと思います。
あ、お仕事のこともすこし触れていきます。

(ホームページ http://www.noguchi-office.jp/)

相続なら江東区の司法書士 みどりの杜司法書士事務所(会社設立)

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