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いのちの重みとかなしさと 

数日来の雨で、わずかに残っていた桜もほぼ散ってしまいました。
道ばたに落ちている花びらを見ていると、胸のうずきのようなものを感じるのも毎年のことです。
落花を見て、こんな歌を詠まれた方がおられます。

 朝の日に淡き影おく石の上 遅き桜のゆるやかに散る

美智子皇后の御歌です。
花冷えの早朝の光景がありありと目に浮かびますね。
これは、『皇后美智子さまの御歌』という本の中にある一首です。


美しい写真をふんだんに盛り込んだ、読みやすく親しみやすい歌集です。
シンプルな装幀で大きさもコンパクトだけど、手にするとずしりとした量感があります。
この重みがまたそれぞれの御歌の存在感を引き出しているようにも思えます。
こんな一首もあります。

 てのひらに君のせましし桑の実の その一粒に重みのありて

現天皇陛下とご成婚の際に詠まれたとのこと。
桑の実一粒の「重み」という感覚の中に、ひとりの女性の人生そのものが投影されているような気がしてきます。

とくに親しみの感じられる御歌を三首だけ。

 君とゆく道の果たての遠白く 夕暮れてなほ光あるらし

ご成婚50年の感慨を詠まれた一首とのこと。
桑の実をてのひらに受けてから、その「重み」を感じ続けての50年だったんでしょうね。
見晴るかす彼方になお暮れ残る光に明るい希望を感じます。

 たんぽぽの綿毛を追ひて遊びたる 遙かなる日の野辺なつかしき

綿毛の行方をどこまでも目で追って走り回る。
誰にでもあるようなささやかな記憶が、さりげなく詠まれています。
記憶の底に眠る「原風景」がそっと揺り起こされます。

 生命(いのち)あるもののかなしさ 早春の光のなかに揺り蚊(ユスリカ)の舞ふ

ユスリカの一生は1〜数日で終わるそうです。
はかないいのちへの心寄せは、「存在」そのものへの問いかけにつながります。
どんな「いのち」にも「重み」があり、いのちといのちの間に軽重はない。
そのことやさしく見つめる心に宿るものこそが「慈しみ」なのかもしれません。

それでは。

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プロフィール

JIRO

Author:JIRO
東京下町で開業する司法書士です。
司法書士とはなにをする人か?
・・・一言では説明が難しいです。
といって二言三言あれば説明できるわけではなし。

このブログでは、日頃の出来事や読んだ本、観た映画などのことを書きつらねてみたいと思います。
あ、お仕事のこともすこし触れていきます。

(ホームページ http://www.noguchi-office.jp/)

相続なら江東区の司法書士 みどりの杜司法書士事務所(会社設立)

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