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『モネ展』を観てお汁粉を食べる

『モネ展』(上野:東京都美術館)に行って来ました。

土曜日の朝9時過ぎ。扉の前には、予想どおりの長い行列ができていました。
入り口を通り抜け、音声ガイドはパスして最初の展示室へ入ると・・・
覚悟していたとはいえ、開場直後の入り口近辺はやはりすごい混雑です。
展示作品の前には、それぞれすでに人がみっしり取り付いています。
ローマ軍団が誇る重装歩兵による密集隊列みたいです。
割って入る隙などありそうにも思えません。

仕方がないので、作戦変更です。
いきなり本展示の目玉である『印象、日の出』を目がけて突進しました。
桶狭間でひたすら本陣目指して殺到した織田軍の心境です。
ひとつ上のフロアに、それは展示されていました。幸い、まだ人だかりは出来ていません。
「幾重もの人垣」に視界をさえぎられ、行く手を阻まれることもなく、思う存分の鑑賞を楽しめました。

印象、日の出

『印象、日の出』は、なぜ「日没」でも「落暉」でもなく「日の出」なのか。
なんとなく疑問に思っていました。実際、過去には「入り日」のタイトルがつけられていたこともあったとのこと。
制作日時などからの実証的な検証もなされているのだそうです。
でも作品を前にすると・・・
やっぱりこれは「日の出」なんだ、ということを実感しました。
天井からの絶妙なライティングを浴びて輝くオレンジ色は、理屈を超えて「日の出」です。
しみじみとただ、そう納得しました。今日の鑑賞は、この納得だけでもうじゅうぶん。

ところが。
今回、展示の最後に、もうひとつサプライズが待っています。
モネの最晩年の作品を集めて展示した部屋です。
広々としたスペースに、360度のパースペクティブで16の作品が展示されていました。

光が洪水となって淡くとろけさせるような「睡蓮」の連作とはだいぶ雰囲気が違います。
キャンバスの中でぶつかりあい、からみあい、もつれあっている赤や青の色の塊り。
キャンバスから逃れ出ようともがいているようにも見えます。
「もの」の属性であるはずの色彩が、「もの」自体の引力を渾身の力で振り切ろうとしているようにも、あるいは逆に、その引力に身を委ねて渦を巻いているようにも見えます。

モネが自らの死期を前にしてみていたもの、みなくてはならなかったものはなんだったのか。
肉体からずるずると抜け出ていく魂、視覚の対象物へと憑依し、「もの」の精霊たちと一体化していく魂だったのか。
そう考えると、少しうすら寒くなる気がします。この作品群は、モネにとっての涅槃図だったのではとも思えてきます。

ということで、展示室の中央に立ち、この16点の絵画を見回していたら、頭の芯が重くなってきました。
体の中心線を見失うような酩酊感に立ちくらみしそうになります。
でも、くらっとするのはただ空腹のせいだったかもしれず、結局なんだよくわからなくなったのでした。

この16点の作品のうち、4点は「しだれ柳」というタイトルです。
これは、そのうちの一点です。

しだれ柳

美術館を出て上野公園に向かうと、ちょうどそのしだれ柳が目に入りました。

しだれ柳

しだれ柳はシルエットが美しいです。ただ、じっと見つめていても、とくに赤や青の色彩の塊りとなって迫ってくることはありませんでした。ということは、ぼくの魂はいまのところまだぼくのからだから逃れでようとはしていないみたいです。安堵の吐息をつくと同時に、再び空腹感に立ちくらみしそうになりました。こういうときには甘い物を食べるのがいちばんです。かくして、美味しいお汁粉を食べるべく、上野駅へと足を向けたのでした。

それでは。


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No title

こんばんは。

いいですね~『モネ展』。
こっちにもきたら絶対観に行きたいと思います。
モネの中でも私が一番好きなのが『印、・日の出』です。
確かに、日の入りでもいいんじゃないかと思いますが、日の出だからこそ彼は描きたかったのでは?私も日の出が好きなので、あの光景はつい筆を取りたくなる衝動をおこすものではないかと思ってしまいました。

お汁粉の味は印象に残りましたでしょうか?

Re: No title

こんにちは、蜩さん!

「日の出だから描きたかった」というのは、ほんとうにそのとおりかもしれないですね。
実際の絵の前に立つと、いろんなことを思い浮かべてしまいます。
だって、現実に、約140年前、絵筆を持ったモネがそこに立っていた、同じ場所にいるわけだから。
巡回したら、ぜひ駆けつけてください。
他の絵を脇目に、真っ先に『印象、日の出』目がけて走ることをお勧めしたいです^^

お汁粉は、小豆のしっかりした甘さが白玉とひとつとなって口の中でとろけて、とても美味しかったです。
モネ展とつぶ餡は、かなり相性がよいのではと思いますv-290

No title

こんばんは!

私も今度の土曜日に「モネ展」に行く予定なのですが、
わ~、やっぱり予想通り混んでるんですね!
JIROさんのブログを見て少々ひるんでいます(-_-;)

モネの最晩年の作品の部屋があるのですね。
ちょっと興味津々です。JIROさんの記事を参考に、
人混みに負けずに鑑賞してきたいと思います。


Re: No title

こんにちは、くまねこくんさん!

いまは『印象〜日の出』から『ヨーロッパ橋、サン=ラザール駅』に展示替えされているみたいですね。
両方の作品を並べて展示してくれたらいいのに、そうはいかない「大人の事情」があるのでしょうか。
ちょっと残念です。

土曜日は・・・やっぱり混むでしょうねー(^^;)
混雑するのは仕方がないんだけど、でも「順番どおりに観る」ということにこだわらなければ、ぜったい満足のゆく鑑賞が楽しめると思います。

当日は、体力勝負です。
まずは体調を整えて、朝食もしっかり食べて、がんばって鑑賞してきてくださいね(^_^)
プロフィール

JIRO

Author:JIRO
東京下町で開業する司法書士です。
司法書士とはなにをする人か?
・・・一言では説明が難しいです。
といって二言三言あれば説明できるわけではなし。

このブログでは、日頃の出来事や読んだ本、観た映画などのことを書きつらねてみたいと思います。
あ、お仕事のこともすこし触れていきます。

(ホームページ http://www.noguchi-office.jp/)

相続なら江東区の司法書士 みどりの杜司法書士事務所(会社設立)

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