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行く人と帰る人と(映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』)

お正月の遊びといって思い出すのは、百人一首です。
子どもの頃、大人同士の源平合戦に混ぜてもらっているうちに、いくつかの歌は自然に覚えていました。
あのころは、いろんなことを自然に覚えられたんですね。
歳月を経たいま、すべてのことは自然と忘れます。
「覚えていない」ことさえ、たちどころに忘れます。
なのに、子どもの頃に覚えてしまったことだけは、いまだに思い出すことができる。
頭の中がどうなっているからなのか、なんだか不思議な話です。

百人一首の中で、子どもの頃に覚えて忘れていない歌のひとつに、蝉丸法師の歌があります。

  これやこの行くも帰るも別れては 知るも知らぬも逢坂の関

坊主めくりのときに蝉丸法師の札を引くと、座が一気に盛り上がったことと重ね合わせて覚えています。
坊主めくりには「蝉丸ルール」と呼ばれるものがあるそうだけど、それはまた別の話。
この歌の意味は、こんな感じになります。

行く人も帰る人も、知る人も知らない人も、みんなが出逢っては別れる坂、「逢坂の関」とはそういうところ・・・

公開中の映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』は、この歌を思い出させます。
ある日、電車の中で出逢った女性に一目惚れしてしまう主人公。
でも、彼女は、どんな神様のいたずらなのか、時間軸を逆行しながら生きています。
だから、ふたりが恋人同士でいられるのは、お互いの時間が交錯する40日あまり。
まさに、ひとつの時間軸のうえで、「行く人」と「帰る人」が出逢ってしまう。
年に一度の逢瀬が約束されている織姫と彦星よりも苛酷な運命のなか、淡いラブストーリーが描かれます。
映画の舞台となるの京都の街は、「逢坂の関」のイメージにもぴったりな感じではありました。

別れるための出逢い、その運命を微笑みながら受け入れるヒロイン(小松菜奈)が印象に残ります。
堪えきれずに流す涙は、そのまま淵となっていつまでも流れ続けるのかもしれません。
そういえば、百人一首には、こんな歌もあります。

  思ひわびさても命はあるものを 憂きに堪えぬは涙なりけり

どれほど辛くても命はあるというのに、生きてはいけるというのに、堪えきれない悲しみに涙があふれてきてしまう・・・

この涙のせつなさはひとしおです。

行く人、帰る人、みんなすれ違ってふたたび出逢うことはない。
思えば蝉丸法師も罪作りな歌を詠んだものです。
この歌さえなければ、この世のすべての出逢いはハッピーエンドになったのかもしれないのに。

それでは。


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プロフィール

JIRO

Author:JIRO
東京下町で開業する司法書士です。
司法書士とはなにをする人か?
・・・一言では説明が難しいです。
といって二言三言あれば説明できるわけではなし。

このブログでは、日頃の出来事や読んだ本、観た映画などのことを書きつらねてみたいと思います。
あ、お仕事のこともすこし触れていきます。

(ホームページ http://www.noguchi-office.jp/)

相続なら江東区の司法書士 みどりの杜司法書士事務所(会社設立)

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