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「親子の縁」を切る方法

100才以上の高齢者に所在不明の方が続出しています。
今後、多方面に問題が波及しそうな気配がただよっていますね。
このニュースを聞いていてふと思うのは、「親子の絆」ということについてです。
所在の知れない方たちにも、それぞれ息子や娘はいただろうに。

「息子と縁を切りたい」

ある日、事務所に来られた老婦人。開口一番、こんな相談を受けました。
いきなりの問いかけにびっくりしたけれど、お話をよく聞いてみて大体の事情が分かりました。
ようするに40才を過ぎた息子さんがいるが、借金生活を繰り返し、債権者が自分のところにまで
「払え」といってくる。
本人は雲隠れしていて連絡もつかない。こんな息子にはほとほと愛想が尽きた。もう顔を見ること
もしたくない。
・・・ということのようです。

江戸時代であれば、「親子の縁を切る」ために奉行所に届け出る、「勘当」というしくみがありま
した。現代の日本では、こういう制度はありません。親子は、どこまでいっても、法律的には
「親子」のまま。

では、この老婦人、息子に対してどのよう手段をとることができるのでしょう。

「縁を切る」ことはできなくても、似たような効果を得られる方法があります。
「相続」という場面で、自分の財産をその子どもに譲り渡さないように、あらかじめ手を打って
しまうという方法です。

ひとつは、家庭裁判所に請求して、その息子の相続資格を失わせるという方法。
「相続人廃除」という制度です。
「廃除」という言葉にはただ事ではない響きがあります。
たしかに、相続人から権利を奪い取る、「ただ事」とはいえない制度であるので、要件も厳格です。
具体的には、母親が息子から「虐待または重大な侮辱、その他著しい非行」を繰り返されているこ
とを裁判所に明らかにする必要があります。

もうひとつの方法として、「遺言」を利用する、というものがあります。
遺言の中で、その息子に対して財産を渡さないことを明記しておけばよいので、ある意味では簡単
に実行できます。ただし、民法で息子にみとめられた遺留分を侵害することはできません。
息子に渡る財産を「制限」することはできても、「ゼロ」にすることはできないということですね。

このような説明をして、納得していただきました。
もちろん、息子の借金を肩代わりする必要はまったくない、ということと合わせて。
でも、説明しているうちに、ぼく自身の中に「納得」いかないものが膨らんでいきました。

40才過ぎて、母親にここまで迷惑をかけ、辛い思いをかけ続ける息子。その人にはその人なりの
弁解はあるのでしょう。やむをえないいきさつもまた。事情はどうあれ、年老いた母親に孝行もで
きずに逃げ回る人生というものを考えると、体の奥深いところからため息がもれ出てしまいます。

「風樹の嘆」という言葉があります。
「孝行のしたい時に親はなし」ということわざと同じ意味。
たとえ樹が静かにしていたいと思っても、物事、ままならないもので、風が吹き止むことはない。
それと同じで、子が親孝行を尽くしたいと思っても、世の中ままならず、親は生きていてはくれ
ないものだ。

風に吹かれて嘆くのが子の定めである、というのは、いかにも情けない話ではないでしょうか。
一方、「風樹の嘆」というこの言葉からは、孝行をしてもらうことのなかった親の嘆きが樹をゆ
らす風となったようにも感じられます。

どちらにしても、こんな風には吹いて欲しくないものです。そのためにも、「親子の絆」という
ものを細らせることのないような心がけが、日々求められているんでしょうね。

それでは。
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プロフィール

JIRO

Author:JIRO
東京下町で開業する司法書士です。
司法書士とはなにをする人か?
・・・一言では説明が難しいです。
といって二言三言あれば説明できるわけではなし。

このブログでは、日頃の出来事や読んだ本、観た映画などのことを書きつらねてみたいと思います。
あ、お仕事のこともすこし触れていきます。

(ホームページ http://www.noguchi-office.jp/)

相続なら江東区の司法書士 みどりの杜司法書士事務所(会社設立)

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